前立腺がんは他の癌と比べて進行が遅く、死亡率が低いです。他の部位に転移する前に発見・治療ができれば再び起こらないよう完全に治すことも可能だと言われています。
初期症状がほとんどないのも前立腺がんの特徴。発見が遅れてしまうと、血液やリンパ液に乗って他の部位に転移してしまう恐れがあります。特に多く見られるのは、骨や骨盤リンパ節への転移。ほとんどの癌は末期になってから転移し始めるのですが、前立腺の近くにはたくさんの骨があるため、早期に骨へ転移してしまう可能性があります。
細菌やウィルスといった、病気を引き起こすさまざまな原因から身体を守ってくれるのが「免疫力」。免疫とは、細菌やウィルスなどの異物が体内に侵入してきた際、それを排除し、私たちの健康を守ってくれる働きのことです。この免疫力は、前立腺がんをはじめ、あらゆるがんの再発・転移予防にも大きく関わっています。
前立腺がんの予防に良いとされる食品は、豆類、穀物、魚、緑茶、ビタミンA・E・D・Cやβカロチンを含む野菜や、ブロッコリー、小松菜などのアブラナ科の野菜、トマトなどリコピンを含む野菜などです。全体的には、動物性脂肪、塩分、乳製品を控え、野菜を多く摂るような、栄養バランスの良い食生活を心がけましょう。
適度な運動を習慣付けることで、前立腺がんの予防だけではなく、治療を受けている方の進行を予防する効果が、期待できます。苦しい運動をする必要はありません。1日15分程度、普段よりもやや早めに歩くだけでも、効果が期待できます。
前立腺がんだけに限らず、病気の時にはセカンドオピニオンが推奨されています。
医師といっても万能ではありません。
複数の医師に診てもらうことで治療や対策などがはっきりすることもあるのです。
単純に治る・治らないだけでなく、最善を尽くして納得できる治療を受けることは、患者さんの権利です。現在の治療について、ほかの専門家の意見を知りたいと思われたら、遠慮せずに主治医に伝えましょう。そして、検査結果や進行中の治療に関する資料と、できれば、現在の治療について主治医が書いた紹介状をもらって、別の病院で相談なさってください。
セカンドオピニオンの結果、現在の治療法に確信がもてれば、あなたと主治医の信頼関係は深まり、よりよく治療に専念できるでしょう。また、セカンドオピニオンを求めるときは、疑問点や理由などを、はっきりと伝えられるように準備しておくとよいでしょう。
手術はできなくても、どの治療法がよいかは、がんの病期や年齢、全身状態、副作用などを考慮して選択されます。そのためにも、納得できるまで主治医と相談し、必要なら他の専門家にセカンドオピニオンを求めてみるのもよいのではないでしょうか。
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