大腸がんの多くは、大腸内側の粘膜から発生します。大腸粘膜の細胞からポリープ(腺腫)と呼ばれる良性の腫瘍が発生し、その一部ががん化して増大したものです。一部の大腸がんでは、発がん刺激を受けた正常粘膜から、ポリープを経由せずに直接がんが発生する場合もあります。
大腸がんの生存率があがってきている?ステージ4の生存率はどれくらい?
大腸がんの生存率があがっていることは知っていますか?
今回は大腸がんの生存率についてまとめました。
大腸がんは早期の場合、初期症状がほとんど見られないのが特徴です。例えば、小さなポリープだけの状態では、自覚症状はありません。この場合は、症状によってがんが見つけられたというよりも、たまたま受けた大腸の検査で大腸がんに移行する可能性があるポリープが見つかる、あるいは初期のがんが発見される、という経緯で見つかることがほとんどです。
大腸がん末期になると、がん性疼痛や消化管症状(食欲不振、吐き気、おう吐、便秘や下痢など)栄養状態の悪化や消耗による体重減少(るい痩=やせ)などがみられます。
大腸がんは、がん全体の中で予後が良いとされています。しかし、ステージ4になると話は別です。ステージ4になると肝臓や肺、腹膜などへ転移していることが多いため、5年生存率は結腸がんで18.8%、直腸がんで20.8%となっています。
大腸がんは他のがんに比べると生存率が高い部類に入りますが、ステージⅣまでがんが進行している場合の生存率は10~15%程度と、予後が厳しいことには変わりがありません。
大腸のがん末期になると、ご本人やご家族は延命のために治療を行うのか、それとも、がんの治療を中止して余命を全うするのかといった厳しい判断を下さなければならないケースも出てきます。いずれの場合でも、最後までご本人の意思を尊重し、できるだけ満足のいく日々を送れるようにしたいものです。
大腸がんは、根治的な手術(がんを完全に取りきった手術)が受けられれば、ほかの消化器がんに比べて治る可能性が高いといわれますが、再発するケースもあります。
大腸がんが再発する割合は大腸がんのステージにより異なり、大腸癌研究会の集計によれば、ステージIでは4%、ステージIIでは13%、ステージIIIでは30%でした。また、再発した患者さんの約80%は、手術から2年以内に再発が認められました。
再発した患者さんの約80%は、手術から2年以内に再発が認められました。そのため、手術後の経過観察が大切で、手術後5年間は、再発のリスクに応じたスケジュールで検査を行います。
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