白血病は血液のがんです。血液細胞には赤血球、血小板、白血球がありますが、これらの血液細胞が骨髄でつくられる過程で、がんになります。がん化した細胞(白血病細胞)は、骨髄内で増殖し、骨髄を占拠してしまいます。そのため、正常な血液細胞が減少し、貧血、免疫系のはたらきの低下、出血傾向、脾臓(血液を貯蔵しておく臓器)の肥大などの症状があらわれます。
白血病の診断は、問診、血液検査、骨髄検査などの結果に基づいて行われます。そのため、通常の健康診断や血液検査をきっかけとして、白血病が発見されることも少なくありません。
1年間に人口10万人あたり、男性で11.4人、女性で7.9人の割合で白血病と診断されています(2011年のデータ*)。
白血病は白血病細胞が骨髄のなかで異常に増加し、赤血球や白血球、血小板などの正常な血液細胞の働きを妨げる病気です。その初期症状も血液細胞がうまく働かないことにより起こります。
急性白血病を発症すると、成熟した血液細胞を産生することができなくなります。正常な白血球がつくられなくなることから、健康時には問題とならないような病原体に対しても感染しやすくなります。そのため、発熱が長引く等の症状をきっかけとして急性白血病が診断されることもあります。
めまいや動悸、息切れ、運動時の易疲労感、顔色不良などの症状も現れます。また、血小板が減少する結果、出血しやすくなります。具体的には、歯肉からの出血、鼻血、あざなどの症状が現れます。
急性白血病とは、白血球や赤血球・血小板をつくるために重要な「造血幹細胞」が悪性腫瘍としての性格を有するようになる病気です。急性白血病で悪性化を起こした細胞は、正常通りに成熟することができなくなってしまいます。
慢性骨髄性白血病(CML)の原因であるBCR-ABL遺伝子からつくられるBcr-Abl蛋白(チロシンキナーゼ)を狙い撃ちし、そのはたらきを抑えることで、白血病細胞が増えないようにする薬です。白血病細胞を狙うので、正常な細胞に及ぼす影響が比較的少なく、従来の抗がん剤よりも副作用が少ないという特徴があります。
通常よりも強力な化学療法や放射線照射を行い、骨髄中の白血病細胞や造血幹細胞を死滅させた後に、正常な造血幹細胞を移植して骨髄の造血機能を回復させる治療法です。現在のところ、治癒の可能性がある唯一の方法です。ただし、造血幹細胞の提供者(ドナー)が必要で、移植した造血幹細胞に対する拒絶反応を抑えなければなりません。
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