高校には、全日制高校と定時制高校、通信制高校の3種類があります。
通信制高校は、自学自習を基本とし、時間と場所の自由度が高いのが特長です。自分の好きな時間と場所で学習できることから、不登校の方や高校を中退した方、社会人の方、スポーツや芸能をはじめ自分の夢に向かってチャレンジしている方などに選ばれています。
通信制高校を比較するときに抑えておきたいポイント
様々な事情を抱えている人たちが自分たちのペースや勉強してみたい内容を選択できるとして、注目を集めている通信制高校。ただ通常の高校とは、どういった部分で違うのか、授業内容はどのようにして進められるのか疑問に思う部分を解消できる内容を紹介していきます。
通信制は、全日制・定時制と並ぶ教育課程で、一人ひとりに合ったペースで学習し卒業資格を取得することができるため、すでに働いている人や、高校を中退した人、学業不振で現在の学校では卒業が困難な人など、さまざまな人が通っています。
最近では、不登校で悩む生徒や、発達障害により通常の学習が難しい生徒などにも適したスタイルとして注目されています。
全日制高校や定時制高校とは、平日の日中や夜間に学校へ登校し、単位を取得していく形式の高校です。一方で通信制高校は、毎日学校へ登校する必要はなく、レポートやテストを郵送やパソコン通信で行うことによって高卒資格を取得します(ただし年に一定期間「スクーリング」という面接指導があります)。
通信制高校の中には、現役のプロを講師として招いて授業をしてくれる学校もあります。科目はデザイン、美容の他、製菓、声優、医療関係など、学校によってさまざま。高卒資格を目指しながら将来の仕事に向けて知識をつけ、経験を積むことができるのが魅力です。
通信制高校は全日制と同じ「高校卒業資格」を得ることができるため、全日制と同じ進路・進学を実現することができます。 通信制高校の多くは進路サポートや指定校推薦枠を持っています。
全日制高校のように毎日通うわけではないので、受験勉強の時間を多くとることができ、難関大への進学することも可能です。
高校には基本的に在籍期間の上限が設定されています。全日制高校では6年、定時制高校では8年と決められていて、それ以上長く在籍することはできないのです。
一方、ほとんどの通信制高校では在籍期間の上限は定められていません。何年かかっても卒業に必要な74単位を取得すれば卒業することはできるのです。
通信制高校の場合、1日の学習時間というのは、学生によって本当にさまざまです。1日30分~1時間程度勉強をする学生もいれば、毎日4~5時間しっかり勉強する学生、平日は働いて週末に7~8時間まとめて勉強する学生もいます。
正直なところ、「卒業することが目的」というのであれば、毎日ビッシリと学習する必要はありません。1日30分~1時間程度の勉強でも、卒業することはできます。学習内容が少ないというよりは、要点を抑えた学習になっています。
通信制と全日制の単位取得の違いは、全日制は時間割が決まっていて1年次、2年次と学年制をとっており、その中に科目を割り振っているわけです。
そのため、単位が取れないと留年ということもあります。ですが、通信制高校の場合は学年制をとっておらず、レポート提出、スクーリング、単位認定試験の繰り返しで単位を取得するシステムです。全日制高校は学年制、通信制高校は単位制、という考え方が一般的です。
スクーリングで行われる授業では、先生がレポートに沿った内容の授業を行うので、自分だけの学習では分からなかった部分をここで理解していきます。
多くの私立系通信制高校では、普通科の学校よりも少人数で授業が行われるため、丁寧な指導が行われているようです。
授業内容のレベルは、通信制高校によっても、また選択するコースによっても違いがありますが、基本的に普通の全日制の高校よりは授業内容は低いものになります。
入学してから1年間は、中学校の復習程度の内容で、まずは基礎からしっかり固めようというコンセプトの学校が多いようです。
基礎ができていないと、高校の授業なんてわかりませんから、合理的だとも言えますね。
通信制高校の学費は、公立か私立か、学習スタイルは、自宅学習メインか、通学コースか、によって大きく変わります。
公立の通信制高校は比較的学費が安く設定されており、以下のような金額から通える学校も存在しています。
入学金 … 500円
授業料 … 年間1~3万円程度
(単位当たり … 300円~)
その他費用 … 年間3万円程度
一方、私立の通信制高校の学費は、公立に比べ割高となっています。
入学金 … 2万円~5万円
授業料 … 年間18万円~
(単位当たり … 6000円~)
その他費用 … 年間3万円程度
通信制高校「公立」「私立」の違いによって、学費の違いが明確に出ています。
そこだけを見ると、割安な「公立」がよいと感じます。
しかし、 「公立」は単位を取得するためだけのカリキュラムのため、精神的なフォローや卒業後に向けた指針の提示などは手薄になっています。
一方の「私立」は、サポート面での手厚さがあります。
具体的には、 定期的な面談の実施や時機に応じた諸連絡の徹底、趣向を凝らした学校行事の開催、単位取得には欠かせないレポート提出に向けたスクーリングなど です。
学校によっては、海外の学校と連携を取った留学システムを導入しているケースも見られます。
このサポート面を考慮した場合、淡々と単位取得に取り組める人は「公立」で構いませんが、少なくとも3年の月日を過ごしていくには、「私立」のバックアップ体制は軽視できません。
「授業料」という項目がレポートやスクーリングにかかわるもので、これが高校卒業に必要な授業料です。この項目は、生徒の履修単位数によって異なります。
上記学費では、1単位授業料を私立通信制高校平均の8千円として卒業に必要な74単位を3年間で等分に履修した場合の25単位で算定しています。
日数が増えた登校・通学形態では、特別講座費用など(補習授業料、コース費用などの名目)の料金が必要になるのが一般的です。
通信制高校の学費は公立と私立ではかなり違います。しかし、学校選びは学費だけで選ぶのはおススメできません。
通信制高校を選択する人は、なんらかの事情で高校を卒業できなかったというケースがほとんどです。しかし、それでも何とか高卒の資格を得たいとか社会に出て働ける技術を身につけたいと考え、中には働きながら通信制高校で学ぶ人もいます。
それだけに本人の強い意志が必要になるのです。そのため、通信制高校を選ぶ場合はしっかり高校卒業までサポートしてくれるかどうかを見極めることが重要です。
以上が、通信制高校へ通うのに必要となってくる学費の金額となります。公立・私立では学費に大きな開きがありますが、その分サポート体制も異なってきます。なので、通いやすさや授業内容だけでなく学費の部分も、しっかりとチェックする必要があります。
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