都市部で3階建て住宅が増えている理由と各社対応まとめ

大都市圏を中心に3階立て住宅が増えていることをご存じでしょうか。3階以上ある住宅が増えている背景や3階建て住宅のメリット、ハウスメーカー各社の対応をまとめました。

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全国的な人気は平屋建て

「老後理想の住まい」として、平屋23.5%、2階建て以上の戸建て33.4%、マンション34.5%となり、マンションが最も人気となりました。ただ、年齢が高まるにつれ、2階建て戸建ての志向は弱まり、平屋とマンションの割合が高くなっています。これは、身体的な理由からワンフロアでの暮らしが望まれるためと考えられます。世代・エリア別に見ると、地方では子育て世代(30-40代)はマンションより平屋を希望し、50代のアクティブシニアと考えられる方々もマンションや2階建てより平屋を希望していることが分ります。

全国的な事情を見る限り、平屋またはマンションのいずれかへの引っ越しを希望するケースが多いようです。
特に、平屋に関して言えば、同一フロアのみで生活できることや庭が楽しめることなどが魅力とされています。

・お子さんがいらっしゃるご家庭
・シニア世代

彼らは平屋がよいと考えています。
ただし、これはあくまで地方部に限った話です。

都心部では3階建て以上の物件が人気

たとえば東京都区部では同期間の3階建て以上(持ち家に限らず)が31.7%に達しており、平家建ては2.9%にすぎない。さらに、都区部では平成8年~12年(全国のピーク)よりも直近のほうが多い割合となっており、現在は新築一戸建て住宅の3分の1近くが3階建て以上だと考えてよいだろう。

全国的には平屋・マンションが人気とされていました。
一方、都市部へ目を向けると持ち家・賃貸物件限らず、3階建て以上という選択肢が増えているようです。
特に10年以上前と比較してこの傾向が顕著に表れています。
なぜ、3階建て以上の物件が増えているのでしょうか?

3階建て以上の物件が人気の理由

東京を中心に建売物件(新築分譲一戸建て住宅)の現場を見ていると、木造3階建てのものが多く目につく。ここ数年の地価上昇で再び敷地の細分化が進み、そのぶん建物が上に伸びている印象だ。

3階建ての物件が増えている理由は、東京都内における地価の上昇が影響しているようです。
確かに、オリンピックを目前に再開発や建設ラッシュが進んでます。
このような背景もあり、建物の建設スピードに対して土地が不足していると考えたほうがよいでしょう。

3階立ての住宅のメリット

一番のメリットは敷地を最大に有効活用できるという部分です。「建ぺい率」や「容積率」などの用途地域の制限にもよりますが、可能な限り建物を上に広げることで、床面積が増えることが最大のメリットとなります。

やはり、狭い地形でも床面積を広くとれることが3階建て住宅の最大のメリットです。
地価が高くなっている今、建物を縦に伸ばすことで住宅のコストを少しでも抑えようと考えるのは自然な流れでしょう。

建物の使い方によっては、各階をそれぞれ目的も持った独立した使い方ができるということも特徴です。例えば、店舗や事務所併用住宅にする場合に、「1階は店舗や事務所として独立させて、2階・3階を住まいとする」パターンや、ガレージハウスを建てる際に「1階をビルトインガレージにして、2・3階は居住スペースとする」場合などです。

建物の用途に選択肢があることもメリットです。
使えるフロアが同一階だけのご家庭に比べて、フロアごとの区分はしやすくなります。

3階立て住宅のメリットは以下の通りです。

・敷地面積が有効活用できる
・住まいと事務所を分けられる
・趣味のスペースに転用できる

3階建て住宅のデメリット

3階建て住宅でもっとも懸念材料となるのが、階段の多さです。特に狭小住宅の場合は、一つのフロアに水回りを納めることが難しい場合が多くなります。1階にバスルームとランドリー、2階にキッチンとリビング、3階に寝室など、階ごとに部屋や設備を分散して設置する住宅は少なくありませんが、そうすると頻繁に階を移動する必要が出てきてしまいます。

床面積を有効活用するために、階段の幅は狭く、角度も急なものになりがちです。その階段を使っての移動は、負担が高まるのと同時に、踏み外して落ちてしまうといった事故の危険性も増えてしまうことになります。

これもやはり、年齢を重ねていくごとにそのリスクが高まるといえます。手すりや滑り止めの利用など、安全な階段移動を助ける手立てももちろんありますが、いずれにおいても、このような懸念があることは頭に置いておくべきでしょう。

3階建て住宅はメリットばかりではありません。

・フロアごとのスペース分割による弊害
・階ごとの移動の大変さ
・階段幅の狭さ
・階段の角度の急さ
・階段移動による事故のリスク

特に、シニア世代になると階段移動の負担は大きくなります。
これらに注意して生活する必要がありそうです。

ハウスメーカー各社の対応

暮しやすさを犠牲にしなくても、ガレージや書斎、広々キッチンなどがある家族が理想とするマイホームを手にすることができます。
さらに日照・通風・見晴らしなどの確保にも有効な3階建て住宅。今では住宅メーカー各社がしのぎをけずって、採光や風通しなどに工夫を凝らした家を開発しています。

最近では三階建ての注文住宅に力を入れている建築会社やハウスメーカーも増えてきました。家を建てるケースやニーズも多様化しており、例えば「自営業で店舗を併設した住宅にしたい」というケースであれば、1階を店舗にしてしまい、2階・3階を居住スペースにしたり、また「自営業ではないが1階をテナントにし、家賃収入を得たい方」や「1階にはリビングとキッチンのみで広く使いたい方」など様々なニーズがあったりします。

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