細菌など病原菌の増殖を阻害することにより、抗菌作用を示します。感染症の治療に用いるケトライド系の抗菌剤です。通常、呼吸器感染症、耳鼻科感染症、歯科感染症などの感染症の治療に使用されます。
分子構造的にはマクロライド系抗生物質であるエリスロマイシンに類似しているが、8位のクラディノース糖鎖がケトン基に置換されたり、1位にアミノブチリダゾール基を持つなどユニークな構造を有し、特徴的な抗菌作用を有する。
テリスロマイシンは、新規構造を有する世界初のケトライド系経口抗菌薬として、2001年欧州連合(EU)で承認されて以降、世界各国で使用されている。
呼吸器感染症、副鼻腔炎、歯科感染症の主要原因菌に適した抗菌スペクトルと強い抗菌力を持ち、ペニシリン系およびマクロライド系抗菌薬に対して耐性を獲得した肺炎球菌(PRSP、ERSP)にも優れた抗菌活性を有することが特徴である。
ペニシリン耐性肺炎球菌及びマクロライド耐性肺炎球菌に優れた抗菌活性を有し、交差耐性を示さない
新規構造を有する世界初のケトライド系経口抗菌剤
肺炎球菌は市中の呼吸器・耳鼻科領域から多く分離されているが、最近、耐性化が急激に進んでおり、感染症の治療に深刻な影響を及ぼしている。
実際、わが国の調査では、肺炎球菌の約60%がペニシリン耐性であるとの報告や、マクロライドに対しては約80%が耐性株であったとの報告もある。両者に対して耐性を持つものも多く、さらにキノロン耐性を獲得した多剤耐性肺炎球菌の出現も知られている。
耐性菌が出にくい新しい分類の抗生剤であるとして、耐性菌による二次感染などが問題となる呼吸器感染症治療を目的に承認された
パブリックシティズンは、その有効性に対する疑問と重篤な肝障害を起こす危険性を指摘し、ケテックを承認すべきでないと早くから取り組んできている。日本では、服用後の意識消失による自動車事故が報告され、販売量が減少した経緯のある薬剤である。
警告欄が新設され、「意識消失、肝炎等の重大な副作用があらわれることがあるので、他の抗菌剤が使用できないか、無効の場合にのみ適用を考慮すること」と記載されるとともに、投与禁忌の対象に「重症筋無力症の患者」が追加された。
服用後に意識を失ったとする報告が6例あり、厚生労働省は21日、医薬品・医療用具等安全性情報を出し注意を呼び掛けた。メーカーには、重大な副作用として薬剤の添付文書に記載するよう指示した。
マクロライド耐性微生物に対する新たな切り札になるのではないか、と期待されているが、日本では意識障害という重篤な副作用(自動車運転中に意識消失し事故発生など)の多発により安全性速報が発出され、基本的に他製剤では代替出来ない場合に用いる慎重投与の製品となっており、市場規模が小さい。
切り札的に使用されていた。疾患によって異なるが、耐性菌を蔓延させないために3~7日の投与期間となる。
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