AED(自動体外式除細動器)とは、心臓がけいれんし血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器です。
AEDが必要な理由とは?意外と知らない雑学とは?
駅や一般企業、スポーツ施設など、あらゆる場所で見かけるようになったAED(自動体外式除細動器)。
今後も導入される動きが続くでしょう。
今回はAEDを設置する理由や選び方のポイントなどを解説します。
突然心停止の最も一般的な原因である心室細動(VF)・心室頻拍(VT) の際に使用されます。
心室細動・心室頻拍によって脳や臓器に血液が届かなくなる時間が長いほど、死亡と後遺症のリスクが高くなります。
したがって、突然心停止の発症後、直ちに心肺蘇生と除細動電気ショックを実施することが非常に重要です。
電気ショックは心室細動であれば、どんなときでも成功するものではありません。
時間との勝負です。一分一秒でも早く電気ショックを行うことが重要です。
電気ショックの成功率は成功の可能性が1分ごとに7〜10%低下します。
救急車が到着する前にAEDを使用して電気ショックをできるだけ早く行うことが重要になります。
一般市民が目撃した、心原性心肺機能停止の傷病者数は2万4,496人。
このうち一般市民が心肺蘇生を実施したのは1万3,672人でした。
AEDの使用有無に絞って数字を見てみると、1,103人の傷病者にAEDが使用されていました。
そのうち1ヵ月後生存率は54.0%(生存者596人)、社会復帰率は46.1%という結果が出ました。
2004年7月より医療従事者ではない一般市民でも使用できるようになり、病院や診療所、救急車はもちろんのこと、空港、駅、スポーツクラブ、学校、公共施設、企業等人が多く集まるところを中心に設置されています。
出典 AEDって?|日本光電
総務省消防庁の平成28年版統計資料によると、救急車の到着は平均8.6分です。心停止で人が倒れてから何もしないで救急車の到着を待つと、生存率は約20%となります。言い換えれば、およそ8分30秒も心臓が止まっていると、80%の確率で亡くなるといえます。心停止から1分ごとに、生存率は7%~10%低下するとされています。1分1秒でも早く、AEDの電気ショックで心臓を正常なリズムに戻したいのです。それだけで、救える命が多くなります。
2004年7月厚生労働省より、非医療従事者である一般市民が救命の現場でAEDを使用することは、医師法第17条には違反しないとの通知が出たことから、一般市民の方も使用できるようになりました。
AEDは音声案内に従うことで使用することはできますが、心肺蘇生については、各種団体が主催する救命の講習会を受けることをお勧めします。
AEDは、心室細動などの不整脈の場合にのみ、電気ショックが必要だと判断し、充電をし、電気ショックを与えることができます。電気ショックが不必要と判断された場合は、充電は行われず、電気ショックはできません。
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