【薬のまとめ】ノイロトロピン錠

成分名:ワクシニアウイルス摂取家兎炎症皮膚抽出液

TAMA1982 さん

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PG系でもオピオイド系でもない鎮痛剤

本剤の作用機序として、中枢性鎮痛機構であるモノアミン作動性下行性疼痛抑制系の活性化作用、侵害刺激局所における起炎物質であるブラジキニンの遊離抑制作用、末梢循環改善作用等が考えられる。

末梢侵害刺激局所において、起炎物質であるブラジキニンの遊離抑制作用を示し、これらは本剤の薬理特性における特徴をなす。

生体内に備わっている痛みを抑える神経の働きを高める作用に加えて、末梢の血流改善作用や痛みや炎症に関与するブラジキニンの遊離抑制作用により痛みを和らげます。

通常、帯状疱疹後神経痛、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、変形性関節症の治療に用いられます。

痛みを抑えるための神経。

痛みを伝える神経がある一方で、脊髄から脳への痛みの伝達を抑制する「下行性疼痛抑制系神経」と呼ばれる痛みを抑える神経があります。

この下行性疼痛抑制系神経の働きは、セロトニンとノルアドレナリンによって活性化されることがわかっています。

動物実験で下降性疼痛抑制経路の活性化が認められており、人間にも鎮痛効果をもたらす。

ただし、鎮痛薬に関しては珍しく、詳細な機序は未だに不明である。

ノナペプチド(9個のアミノ酸が連なった分子)であり、血圧降下作用を持つ生理活性物質の1種である。キニノーゲンから血漿カリクレインやトリプシンによって作られる。

降圧作用のほかに、神経細胞に作用して痛みを感じさせる物質でもある。また、炎症の発生にも関与しているなど多彩な作用を有する。発痛作用はPGE2により増強される。

脊髄よりも上位にある脳幹部から脊髄後角に下行し、痛覚情報の中枢神経系への入り口である脊髄後角で痛みの伝達を抑制する「下行性疼痛抑制系」がヒトの神経系には存在

『下行性疼痛抑制系』 の抑制性ニューロンは、痛み信号を一次侵害受容ニューロンと二次侵害受容ニューロンのシナプス伝達を抑制するために、脊髄後角へノルアドレナリンとセロトニンという二つの伝達物質を放出します。

シナプスで痛み情報が二次侵害受容ニューロンに伝わらないようにして、痛みを和らげるものです。原因不明といわれている持続する疼痛(慢性疼痛)は、下行性疼痛抑制機構の低下とストレスに対する抵抗性の低下が一要因起因と考えられます。

下行性疼痛抑制系神経を強めることができれば、痛みを感じにくくさせることで鎮痛作用を得ることができます。

下行性疼痛抑制系神経は、神経伝達物物質の中でもセロトニンが関わる神経(セロトニン作動性神経)とノルアドレナリンが関わる神経(ノルアドレナリン作動性神経)の2つに分かれます。

帯状疱疹後神経痛の第一選択薬として日本ペインクリニック学会のガイドラインに推奨されているノイロトロピン

ワクシニアウイルス摂取家兎炎症皮膚抽出液について

ウサギの皮膚にワクシニアウイルスを投与した時にできる、炎症部位から抽出した物質がノイロトロピンです。

ノイトロトピンの中身にはワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液というかなり特殊な有効成分が含まれています。

ウサギの皮膚に対してワクシニアウイルスを注射し、炎症が起こることで生じた皮膚組織から分離したものが有効成分になっています。なぜ、ノイロトロピンが痛みやアレルギー症状を改善するのかについては、現在でもわかっていません。

ノイロトロピンの有効成分が一体何であるかは不明であるものの、ワクシニアウイルスを皮内接種した家兎の炎症皮膚から抽出した非蛋白質分画である。

成分としてアミノ酸、リン、核酸塩基、N-アセチルノイラミン酸等が含まれているとされる。

種痘ウイルスに感染したウサギの皮膚から分離した多くのpolysaccharide(多糖類)を含む抽出液

ワクシニアはワクチンを語源としているらしい。種痘ウイルスをワクチンとして投与したウサギの皮膚から抽出した成分。

急性痛よりも慢性痛に適しており、副作用は少ない

炎症には効きませんが、副作用が少ないのでさまざまの痛みに使われています。

ノイロトロピンの特徴は『急性痛にはさほど効果はないものの、慢性痛には比較的効果が高い』という点である。

そのため、『帯状疱疹後神経痛』・『複合性局所疼痛症候群(CRPS)』・『線維筋痛症』など難治性の慢性痛を呈する場合に適応されることがある。ノイロトロピンは副作用が少ないことも特徴の一つ。

ノイロトロピンは、PHNで適応を取得する唯一の薬剤である。効果はマイルドだが、副作用も少ないので使いやすい。

PHN:帯状疱疹後神経痛
神経の痛みや痺れにも効果を示すのが特徴。

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