【薬のまとめ】リンゼス錠

成分名:リナクロチド

TAMA1982 さん

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腸管GC受容体アゴニストである

腸管上皮細胞表面に存在するグアニル酸シクラーゼC(GC-C)受容体に作用し、腸管内への水分分泌を促進することにより、便通を改善します。

リンゼスの作用はグアニル酸シクラーゼC(GC-C)受容体への効果により発揮されます。

腸管細胞内のエネルギー産生を促進、Clチャネルを活性化させる。

リンゼスは、グアニル酸シクラーゼC(GC- C)受容体刺激薬で、これまでの治療法とは異なる作用機序によって腸管内の水分量を増やし、便を柔らかくすることで便秘を改善する薬剤です。

①cGMP上昇によって、Cl-が細胞外(腸管内)に移動
②腸管内の電化を合わせるためにNa+が腸管内に移動
③NaClとなり、腸管内の浸透圧が亢進
④浸透圧を等張にするために、上皮細胞内の水分が腸管内に移動

リンゼスによってcGMPが増加すると、cGMPが求心性神経(痛みを感じる神経)を抑制することで、過敏性腸症候群による痛み(腹痛、腹部不快感など)を緩和する効果も示唆されています

腸管の管腔表面(食べ物が通るほう)に発現しているグアニル酸シクラーゼC(GC-C)受容体を活性化することにより、効果を発揮します。

【作用1】腸管内に体内から水分が放出
【作用2】大腸の痛覚過敏を和らげる作用

便秘型IBSを効能・効果とするグアニル酸シクラーゼC(GC-C)受容体作動薬である。

①腸管内の水分分泌を促進→便通を改善
②cGMPが求心性神経の痛覚過敏を改善→腹痛・腹部不快感を改善

リンゼスは、腸管の表面にあるグアニル酸シクラーゼC受容体という部位にくっつく事で腸管の水分を増やしたり、腸管の動きを活性化させてくれます。

リンゼスは、単に便秘を改善するだけでなく、便秘に伴って生じる腹部症状(腹痛や腹部不快感など)をも和らげてくれるという利点もあります。

リンゼスは痛み刺激が抑制されるのが特徴で、腹痛を訴える便秘に効果がある。

1日1回食前投与により早期から症状改善が期待できる

腹痛・腹部不快感など、便秘型IBSに伴う諸症状に、1日1回食前投与による早期から優れた症状改善効果を示す。

何で食前?
これは単に、食後だと下痢や軟便の副作用が多かったから。

健康成人を対象とした第Ⅰ相反復・投与時期探索試験でそういった結果となり用法が食前に設定されたので、その後、他の用法での安全性や有効性は検討していないらしい・・。
なぜ食後に下痢が多いのか?はっきりした理由は不明とのこと。

食前に内服すると3時間ほどでお腹の中がすっからかんになるほどによく効きます。

食前よりも食後の投与の方が下痢の発現率が高いため、食前の服用を促すなど、症状により調節する。

細菌の毒をヒントに開発されたペプチドで、体内にはほとんど吸収されない

薬の構造は、アミノ酸が14個繋がった構造をしており、合成ペプチドに分類されます。タンパク質のすごいちっちゃいやつって感じです。

C型グアニル酸シクラーゼ受容体のアゴニストであり14種類のアミノ酸からなる合成ペプチド

エンテロトキシン(大腸菌などが分泌する腸の粘膜に作用し下痢を誘発する毒素)を人工的に合成したもの

リナクロチドは14個のアミノ酸からなるペプチドで、関連記事に書いたように、腸管毒素原性大腸菌(enterotoxigenic E. coli, ETEC)の耐熱性毒素(heat stable toxin, ST)の活性部分のペプチドとほぼ同じものです

ETEC は途上国における乳幼児下痢症の最も重要な原因菌であり、先進国においてはこれらの国々への旅行者にみられる、旅行者下痢症の主要な原因菌です。

身体にほとんど吸収されないため、酸化マグネシウムと異なり体内に吸収されて副作用を起こす事もほぼありませんし、大腸刺激性下剤のように耐性が生じる事もありません。

腸管粘膜に作用するので体内へはほとんど吸収されないことも特徴のひとつです。

代謝は活性代謝物である脱チロシン体に代謝され、更に小ペプチドや天然型アミノ酸に代謝されます。排泄は便の中です。

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