相続で引き継いだような土地を売却する場合、所有期間も相続で引き継ぎます。
例えば、親の所有期間が5年超だった場合、相続後、すぐに売却したとしても所有期間は5年超となり、長期譲渡所得の税率が適用されます。
税金が高くなってしまう事がある土地とは?
土地の場合、先祖から相続で引き継ぎ、取得費がわからないような土地があります。取得費がわからない土地は税金が大きく発生しやすい土地です。
取得費が不明の場合には、「概算取得費」と呼ばれるものを取得費として計算に用います。
概算取得費は、「譲渡価額の5%」です。
概算取得費 = 譲渡価額 × 5%
概算取得費を用いると譲渡所得が大きく計算されてしまうため、発生する税金も大きくなります。
例えば以下のようなケースで土地売却時の税金を計算してみます。
条件
売却価格 3,000万円
取得費 不明
譲渡費用 100万円
保有期間 20年
取得費が不明ですので概算取得費を用います。
また、保有期間は20年ですので長期譲渡所得の税率を用いて計算します。
税金の計算
譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用
= 譲渡価額 - 概算取得費 - 譲渡費用
= 3,000万円 - 3,000万円×5% - 100万円
= 3,000万円 - 150万円 - 100万円
= 2,750万円
所得税 = 2,750万円 × 15%
= 412.5万円
復興特別所得税 = 412.5万円 × 2.1%
≒ 8.7万円
住民税 = 2,750万円 × 5%
= 137.5万円
税額 = 所得税 + 住民税 + 復興特別所得税
= 412.5万円 + 137.5万円 + 8.7万円
= 558.7万円
長期譲渡所得で取得費の分からない土地は、売却価格の2割弱の税金が発生することになります。
取得費を用いてしまうと税金が高くなるため、売却前には購入時の売買契約書が残っていないかどうか、再度、確認するようにしましょう。
この章のポイント
取得費が不明の土地は税金が高い。