――堀江さんは美食家だと聞いています。おいしいものを食べるのにもお金はかかりますよね。
【堀江】そうですね。でもいまは出所したばかりだから、みんなけっこうおごってくれます。
――最初にハンバーガーを食べたことがネットでも話題になりました。
【堀江】そんなことが話題になるところに、いまの社会の発想の貧困さを感じるんですよね。どうでもいい話じゃないですか。こんなことに反応する社会の空気が、いやでしょうがない。だからおまえらはバカなんだよ、と言いたくなります。何を食べたかなんていうくだらないネタで喜ぶ風潮は、僕にはまったく理解できない。ハンバーガーを食べたのも、たまたまです。時間がなかったから何か買ってくるように頼んだら、マネジャーが買ってきただけ。そこに注目してどうするの、と思いますよ。
――世間に注目してほしいのは、どんなことでしょうか。
【堀江】世の中がもっとおもしろくなればいいのに、そういうニュースには反応がないから残念ですよね。最近おもしろかったのは、JR東海がリニアモーターカーの中間駅の駅舎をものすごくシンプルにしたという話。僕はすごくウケたんだけど、世間はあまり反応してない。リニア中央新幹線って、いろいろ揉めてるんですよ。本当は最短で結ぶことに意味があるのに、まずルート選定で長野市を通らなきゃいけないという話が出てきた。結局はほとんど直線のCルートになったのですが、こんどはリニアが通る飯田市の地元の人たちが、飯田駅の近くに中間駅を置けと言ってきた。僕は長野の刑務所にいたからこのニュースをよく知っていて、くだらないことを言っているなとむかついていたんです。
JR東海も地元の態度にむかついていたんでしょうね。そもそも最短が売りのリニアに中間駅を置くなんて、百害あって一利なし。それなのにぐちゃぐちゃ言われるから、JR東海は「俺たちがぜんぶお金出してつくるから文句を言うな」と言って、ほとんど無人駅みたいな超シンプルな駅舎をつくることにした。痛快じゃないですか。JR東海、最高ですよ。