そんな風に長い年月をかけて作られていった多神教文化は、文明の発達とともに意味が薄れていきます。かつて脅威だった水害も、灌漑が進めば被害の減少とともに雷神を恐れない世代が生まれることで信仰が失われていったことでしょう。また、宗教として強い求心力を保つために信仰対象を一本化することも効果的です。さまざまな地域の神話世界で改革は行われ、古くは神々の中心的存在であった雷神が太陽神に立場を奪われたり、太陽神が他神格と比べて圧倒的な力を持つ存在としてクローズアップされる傾向が見られます。