多神教から一神教へと変革していったことは、世界が時代によって変化していくことに対応する必然的な変化だったのかもしれません。多神教はもともと、社会が未発達で原始的な状態に発生したものと考えられます。狩猟や採集で食料を賄っていた時代は、日によって収穫の差も大きく神や精霊に安定供給を願ったでしょうし、巨大な獲物を含めた驚異的な動物や自然現象を恐れ鎮めるために祈ることから原初の宗教が生まれたものと考えられます。農耕が始まった後も、水害などの天災は怒れる神の行いと考え恐ろしい雷神や、収穫をもたらす日光を神聖視した太陽神などが想像されていったことは間違いないでしょう。