だいぶ回りくどい話になりましたが、これでようやく「一神教」と「多神教」が対立しているという話になります。
 それぞれ激しく対立しているのですが、キリスト教とイスラム教、そしてユダヤ教は信奉する神はまったく同じものです。『旧約聖書』に描かれている、神と最初に契約を交わしたアブラハムは共通の始祖ですし、モーセの十戒はある意味形骸化していたりもしますが、それぞれの宗教において共通の基礎ルールとして今も生きています。これらの宗教は総称として「一神教」と呼ばれ、他の宗教とは相容れない立場になります。他の宗教は仏教にしろヒンドゥー教にしろ、多くが「多神教」であるため、「一神教」と「多神教」は根本的に対立する立場にあるというわけです。『真・女神転生IV FINAL』は、そんな思想的背景の上に成り立つ物語となっているのです。