「天使」は当初「神のお告げ」をもたらすなど、神と人間の仲立ちをする存在でしたが、「悪魔」の概念が発達するのにともない設定が肉付けされていくことになります。悪いことをした人間が、契約不履行を避けるため「悪魔にそそのかされた」と言い訳したりするのですが、聖職に就いているような人が誘惑に負けた際には体裁を繕うため「悪魔がすごいヤツだった」と言ったりして、どんどん強い悪魔が誕生してしまうわけです。そんな悪魔に対抗する「神の力」という性質が「天使」に加わり、『聖書』の「黙示録」に記された「天使と悪魔の戦い」に繋がっていくことになるわけです。
こうした考え方が世界三大宗教であるキリスト教で広まっていき、「天使と悪魔」は対立する存在として広く認識されるようになりました。