東京大学を卒業後に院に進み、応用化学を学んだS子は日本で最先端の研究ができる理化学研究所に就職した。長い下積み期間を経てようやく裁量ある仕事ができるようになったと思った矢先、突然ハーバードから帰国した小保方晴子が自分の上司になったのだ。
聞くところによると小保方晴子は早稲田大学にAO入試で合格し、ハーバードは教授と仲良くなって入れてもらっただけ。実力・キャリアは圧倒的に自分のほうが上だと自負していた。
それにもかかわらず、小保方晴子はただ人間関係を築くのがうまく、上司と仲がいいというだけで気に入られて仕事を任されているようだった。もともと研究者気質で一つのことに没頭するS子とは正反対のタイプで猛烈に嫉妬した。
(研究者なら実験の結果で評価されるべきでしょ。何で私より年下で無能なあいつが上司なの)