(CNN) ドイツの格安航空会社ジャーマンウィングスの旅客機墜落で、同機を故意に墜落させたとみられるアンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)の自宅アパートからうつ症状の治療薬が押収されたことが29日までに分かった。独紙ディ・ヴェルトなどが伝えている。
ディ・ヴェルトが匿名の捜査当局幹部の話として報じたところによると、ルビッツ副操縦士は「心因性疾患」をわずらい、重度の「燃え尽き症候群」とうつの症状を示していた。これを治療するための処方薬を、独警察が押収したという。
米紙ニューヨーク・タイムズも、アパートの捜索で抗うつ剤が見つかったと伝えた。
ただしCNNはこれらの報道が事実かどうかを確認できていない。
捜査当局は27日夜、副操縦士のアパートを約1時間半にわたって捜索し、文書など数箱分を押収した。アパートのごみ箱から、副操縦士は乗務できる状態にないと書かれた書面が破かれ、捨てられていたのが見つかっている。
当局は28日も、副操縦士の親族や友人、同僚らに事情を聴くなど捜査を続けた。
ニューヨーク・タイムズは同日、捜査状況を知る複数の当局者の話として、副操縦士が職務に影響を及ぼす可能性のある視覚の異常と、精神的な問題で診察を受けていたとも伝えた。
これに対してデュッセルドルフ市内の大学病院は、副操縦士が「ある診断に関連して」2回来院し、2度目は今月10日だったことを明らかにした。一方で、うつ病の治療はしていないと述べた。
副操縦士は昨年、年に一度の健康診断に合格していたとされる。ジャーマンウィングスの親会社ルフトハンザ航空の関係者は、健康診断は精神状態ではなく身体的な状態が対象だが、視覚に問題があれば見つかっていたはずだと述べた。
また、独紙ビルトは28日、副操縦士の元恋人とのインタビューとされる記事を掲載した。匿名の元恋人が語ったところによると、副操縦士は感受性が強く、悩んでいる様子だった。自分の飛行機が墜落する悪夢を見たとも話していたという。