【3月27日 AFP】独格安航空会社ジャーマンウイングス(Germanwings)4U9525便の飛行は、他のフライトと何ら変わりなく始まり、コックピット内での会話もごく普通のもので、アンドレアス・ルビッツ(Andreas Lubitz)副操縦士(28)が他の乗員乗客149人を巻き添えに実行したとされる恐怖の行動の兆候は一切なかった。
回収された同便のボイスレコーダー(音声記録装置)の解析を担当するブリス・ロバン(Brice Robin)検察官は26日の記者会見で、「彼らは最初の20分間、操縦士らが通常するように、ごく普通に丁寧な口調で話していた」と述べた。
スペイン・バルセロナ(Barcelona)を飛び立った同機が、巡航高度に達して自動操縦モードに入った際、ルビッツ副操縦士と機長は、目的地の独デュッセルドルフ(Duesseldorf)への着陸について話し始めた。
ルビッツ副操縦士の応答は普通だったが、「極めて短く、対話とは言えないものだった」とロバン検察官は説明した。「その後、操縦士がルビッツ副操縦士に操縦を代わるよう頼み、椅子を後ろに引いてドアが閉まる音がした。トイレに行ったのだと思われる」
1人になると、同副操縦士は飛行監視システムのボタンを押し、機体の降下が始まった。「この動作は、故意でしかあり得ない」「もし意識を失って覆いかぶさったとしても、(ボタンは)4分の1押されるだけで作動はしない」(ロバン検察官)
操縦士はトイレから戻り、操縦室のドアを開けようとした。ドアはハイジャック防止のため強化されており、開けるには暗証コードが必要だ。
操縦士がコードを知らなかったことも考えられるが、ジャーマンウイングスの親会社ルフトハンザ航空(Lufthansa)のカールステン・シュポア(Carsten Spohr)最高経営責任者(CEO)は、その可能性は低いとしている。当局は、ルビッツ副操縦士が故意にドアを内側から施錠し、誰も入れないようにした可能性の方が高いとみている。