相手の容貌には一切無頓着の質より量の豪傑で、芸者を総揚げしたら、順ぐりにブルドーザーなみの総浚(そうざら)いで、まだ生娘(きむすめ)の半玉(はんぎょく)などは蒲団部屋に隠れなければならないような乱痴気騒ぎの常習犯であったというから、今風に言えば少し困った明るい助平親父(すけべおやじ)であったわけである。