耐震データの偽造に手を染めた姉歯秀次一級建築士もまた、
「成り上がり男」であった。

高卒で上京、一級の免許まで取得したが、故郷に残した母親は
一人寂しく病死し、妻もまた「鬱病」に悩まされていた。

崩壊したファミリーがすがっていたのが創価学会━━。


姉歯建築士が千葉県市川市に越してきたのは、15年前だが、
あまり近所付き合いはしなかった。

「奥さんはもう長い間、“鬱病”を患っていて、入退院を繰り返していました」

と、近所の住人は話す。

「そのせいか、ちょっと変わったところがあって、
豹柄の服に物凄いミニスカートという、ギョッとするような格好で
出掛けたりするんです。他にも、近くのお菓子屋さんによく買いに
来られるんですが、お饅頭をいくつも買って、その場で袋を開けて
バクバク食べ始めたりするんですよ」