無名子役だったブルック・シールズを一躍スターにした、ルイ・マル監督のアメリカ進出作である。シールズはこれで世界的にロリータ女優として君臨する。なお、フランスでのタイトルは "La Petite" である。 1917年、ニューオリンズのストーリーヴィルを舞台に、娼館に生まれたため12歳の幼さで肉体を売ることになる少女ヴァイオレットの運命を描く。ルイ・マルが初めてアメリカで撮った作品で、興味本意のアプローチを廃し風俗ドラマに徹した造りが効を奏しており、20世紀初頭の南部の景観を切り取ったS・ニクヴィストのカメラも美しい。だが、それに負けず劣らず光り輝いているのはヴァイオレットを演じるB・シールズ。演技がどうのという次元を越えて、少女娼婦という難しい役どころにぴったり符合している彼女の魅力こそ本作の象徴と言える。