江戸時代末期に御嶽山の高山植物は「御神草」として珍重され、山頂部の高山帯に自生するコマクサは薬草として採集され多くの自生のものが消滅した[注釈 11]。山頂部のコマクサ群落の再生活動が行われている。1887年(明治20年)7月に植物学者の白井光太郎が登頂して高山植物を採集し、1889年(明治22年)には三好学らも採集し、1933年(昭和8年)に植物学者の中野治房が御嶽山の植物生態を調査した。山の上部の森林限界の高山帯には、アオノツガザクラ、イワウメ、ウラジロナナカマド、オオヒョウタンボク、ガンコウラン、キバナシャクナゲ、クロマメノキ、コケモモ、コメバツガザクラ、タカネナナカマド、チングルマ、ハイマツ、ミネズオウ、ミヤマハンノキなどの樹木とイワギキョウ、イワツメクサ、オンタデ、クモマグサ[注釈 12]、クロユリ、コマクサ、シラタマノキ、チシマギキョウ、トウヤクリンドウ、ハクサンイチゲ、ミヤマアキノキリンソウ、ミヤマキンバイ、ミヤマダイコンソウ、モミジカラマツなどの多くの高山植物が自生している。日本の固有種であるオンタデ(御蓼)の和名は、この山で最初に発見されたことによる。ウラジロナナカマドとタカネナナカマドとの雑種のオンタケナナカマド(学名:Sorbus x yokouchii M.Mizush. ex T.Shimizu)が自生している。中腹の亜高山帯では、オオシラビソ、オガラバナ、コメツガ、シラビソ、ダケカンバ、トウヒ、ナナカマド、ハリブキ、ミヤマザクラなどの樹木とオサバグサ、カニコウモリ、キソアザミ、キソチドリ、ゴゼンタチバナ、コバイケイソウ、サンカヨウ、セリバシオガマ、タケシマラン、ツバメオモト、バイカオウレン、マイヅルソウ、ムシトリスミレ、ユキザサなどの草花が自生している。下部の山地帯では、イヌブナ、カエデ類、カツラ、クリ、シラカンバ、シナノキ、ミズナラなどの落葉広葉樹とトチノキ、クロベ、サワラ、ヒノキなどの自然林の針葉樹とカラマツ、スギ、ヒノキなどの人工林、イワカガミ、クガイソウ、ササユリ、ススキ、ツルアジサイ、トリアショウマ、ホタルブクロ、マツムシソウ、ヤナギランなどの草花が分布している。「御岳オサバグサ」(面積18.39 ha)と「胡桃島ハイマツ等」が林野庁により、植物群落保護林の指定を受けている。「木曽ヒノキ」は、「秋田のスギ」と「津軽のヒバ」とともに『日本三大美林』に選定されている。南側は現在も火山活動中であり植物相は貧弱で、北側はコマクサの群生地など豊富な植物相となっている。1910年に植物学者小泉源一がこの山でトリカブト属のオンタケブシ(学名:Aconitum metajaponicum Nakai)を採集しその和名の由来となっている。オンタケチブシは絶滅が危惧されていて、環境省の絶滅危惧IA類の指定を受けている。