1927年(昭和4年)に京都大学地理学者に田中阿歌麿が湖沼の調査を行った。御嶽山には、5つの火口湖があり、一ノ池から五ノ池の名前が付けられている。常に水をたたえているのは、エメラルド色の二ノ池と三ノ池である。二ノ池は日本で最も高いところ (2,905 m) にあるお盆形状の水深3.5 mの湖沼で、集水面積は湖面の数倍あり、ミクリガ池などの飛騨山脈の火口湖と比べて水位の日変化が40 cm程と大きいのが特徴である。昼夜の気温差による雪解け量の差がその原因である。夏でも雪渓が残り北西斜面の雪渓の雪解け水・天水・伏流水を集め、水位が極端に上昇した場合には、東端にあるニノ池小屋付近から北東に排水される。1979年の噴火活動の際に、ニノ池に大量の硫黄が流れ込み池の水は酸性度が強くなった。周辺の山小屋ではこの湖水をポンプで送水して宿泊者のためのお風呂の水に利用している。三ノ池は御嶽山で最大の池で、湖盆の平均斜度14.4度、水深が13.3 m、8月初旬の平均水温が表面で9.7 °C低層で9.5 °Cである。三ノ池畔には荒神と白龍王初春姫大神などの神々が祀られていて、三ノ池の湖水は信者の御神水(ごしんすい)とされていている。王滝村御嶽神社里宮御神水とともに「信州の名水・秘水」の一つに選定されている。四ノ池は高層湿原となっていて、小川が流れており、高山植物の群生地となっている。なお、二ノ池北西の斜面の下、賽の河原との間に小さな窪地があり、多雨期には水がたまる。これを六ノ池と呼ぶことがある。賽の河原の西端、シン谷へ落ち込むところに日本最高所の滝 (2,800 m) がある。この谷は兵衛谷となり濁河川と合流し小坂川となって、飛騨川に注いでいる[注釈 4]。三ノ池のみにオンダケトビケラ(学名:Pseudostenophylax sp.)の幼虫が生息する。