ケース1. 「うちの会社は残業代は出ないから」と残業代をカットしている
「採用時に残業代が出ないことを説明した」、「残業代が出ない旨を記載した雇用契約を締結している」などという理由で、残業代を支払わない会社がありますが、これは違法です。
法律には、「任意法規」と「強行法規」の2種類があります。
「任意法規」とは、当事者間の合意があれば、その法規(法律)に優先するルールを定めることができるものです。
「強行法規」とは、当事者間の合意があっても、その法規に優先するルールを定めることができないものです。厳密に言うと、優先するルールを定めることはできますが、そのルールは無効になります。そして、残業代の支払いを定めている労働基準法は「強行法規」ですので、例え「うちの会社は残業代は出ない」というルールが定められていたとしても、つまり、その旨の雇用契約書を締結していたとしても、その旨の説明を受けていたとしても、そのルールは、原則、無効になります。