●免疫力(めんえきりょく)を高め、がん細胞を抑える
漢方薬は、血液中の免疫を担当する細胞であるマクロファージやリンパ球などを刺激して、がんに対する攻撃能力を高めます。また、それらの免疫担当細胞に作用してサイトカイン(「がんの免疫療法」の今後、期待される免疫療法)という生理活性物質の生成を促します。サイトカインには、免疫力を活性化したり、がん細胞を直接殺傷する作用があります。
このような効果をもつ漢方薬には、小柴胡湯(しょうさいことう)や十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、人参湯(にんじんとう)などがあります。小柴胡湯によって、肝硬変(かんこうへん)から肝がんの発生する頻度(ひんど)が低くなったという報告もあります。