140 :最後:2013/11/07(木) 20:29:23.76 ID:N/XIvReQ0
もう迷っていられるような余裕も無い。
俺は2人にもうあれが凄くそこまで来ている事を伝えると、おもいきって獣道のある茂みを下る事にした。
2人もそれに続き、殆ど茂みを掻き分けるように道を下っていくと、後ろの方からAが「ヤバイ、もうすぐそこまで来てる!急げ!」と言ってきた。
俺が後ろを振り返ると、例の黒い物体がもうあと10mくらいのところまで近付いてきている。
俺たち3人は最早草や木の枝をかき分けることすらやめ、がむしゃらに獣道を駆け下りた。

どれくらい走っただろうか、暫らくすると木の間から舗装された道路が見えてきた、俺たちは泥だらけになりながらも必死で殆ど転がるように道を下り、なんとか舗装された所までたどり付くことが出来た。
その時、突然金属質の耳鳴りのような音が聞こえ、次いで後ろから「バチンッ!」と何かが弾けるような音が聞こえてきた。びっくりして後ろを振り向くと、そこには例の黒い物体はなく、爆竹か何かを破裂させたような、そんな感じの煙が漂っているだけで、俺たちは呆然としてしまった。

その後、民家も無いような山道を散々迷い、殆ど真っ暗になる頃にやっと最初に車を停めたところまで戻る事が出来た。
結局その後もあれが何だったのかはわからない、そもそもあんな体験をしてまた同じ場所へ戻る勇気などなかったし、そんな事をしても俺たちに何の得も無かったからだ。