<株式> ロンドン株式市場は、FT100種総合株価指数<.FTSE>が連休前の23日と比べて29.19ポイント(0.43%)高の6844.94と反発して取引を終えた。半導体設計のARMホールディングス<ARM.L>やホテル経営のインターコンチネンタル・ホテルズ・グループ(IHG)<IHG.L>が買われて全体水準を押し上げ、FT100種は史上最高値に手が届く水準に戻りつつある。
ARMホールディングスは4%上昇の917ペンスと、FT100種の中で上昇率が最も大きかった。経営説明会の内容を好感したヌミス証券が目標株価を引き上げたことが材料視された。
IHGは、米国企業による60億ポンド(101億ドル)相当の買収提案を拒否したとの報道が材料視され、3.4%の上昇となった。
一方、医薬品大手のアストラゼネカ<AZN.L>は1.8%安と下落が続いた。米ファイザー<PFE.N>が26日、アストラゼネカの買収を断念すると正式発表したことが嫌気された。
欧州株式市場は上昇して取引を終えた。米指標が底堅いことに加え、企業の合併・買収(M&A)の動きへの期待や、欧州中央銀行(ECB)が追加緩和に踏み切るとの観測が相場を押し上げた。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は2.38ポイント(0.17%)高の1378.82で引けた。DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は3.89ポイント(0.12%)高の3244.28。
27日発表の4月の米耐久財受注と3月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数が市場予想を上回った。5月の米消費者信頼感指数も上昇した。
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は今週に入って、来週の政策決定会合で利下げに踏み切る可能性を再び示唆している。
ホテル経営で世界最大手のインターコンチネンタル・ホテルズ・グループ(IHG)<IHG.L>は、米国企業による60億ポンド(101億ドル)相当の買収提案を拒否したとの報道が材料視され3.4%上昇した。合併・買収(M&A)の動きに対する期待から、STOXX欧州600旅行・娯楽関連株指数<.SXTP>は一時2007年以来の高値をつけた後、2.42ポイント(1.21%)高の202.33で取引を終えた。
その他、半導体設計のARMホールディングス<ARM.L>は4%の上昇。経営説明会の内容を好感したヌミス証券が目標株価を引き上げたことが材料視された。
<ユーロ圏債券> 国債価格が総じて上昇し、独2年債利回りは6カ月半ぶりの水準に低下した。欧州中央銀行(ECB)当局者が近く追加緩和を実施する可能性を強く示唆したことが追い風となった。
金利見通しに敏感な独2年債DE2YT=TWEB>利回りは0.05%に低下し、2013年11月以来の水準をつけた。
独10年債<DE10YT=TWEB>利回りは3ベーシスポイント(bp)低下の1.33%。他の高格付け国債の利回りも3━5bp低下した。
ドラギECB総裁はこの日、低インフレが過度に長期化するリスクを認識しているとしたうえで、ECBはインフレ率を目標水準に引き上げる手段を有していると言明した。
またECB理事会メンバーのノボトニー・オーストリア中銀総裁は、ユーロ圏の景気回復が失速しないよう、利下げも含め、どのような措置を講じることが可能かを来週協議すると明らかにした。
これを受け、来週の理事会での追加緩和実施への期待が高まり、周辺国国債の利回りも低下した。欧州議会選挙での欧州連合(EU)懐疑派躍進で政権基盤の脆弱な国の政局が不安定化するとの懸念が後退したことも支援した。
イタリア10年債<IT10YT=TWEB>利回りは2bp低下の2.98%。
アイルランド10年債<IE10YT=TWEB>、ポルトガル10年債<PT10YT=TWEB>利回りは2bp低下のそれぞれ2.69%、3.70%をつけた。
スペイン10年債<ES10YT=TWEB>利回りは2bp低下の2.88%。