南海の広報担当者によると、株式取得に向けた資金は借り入れでまかなう予定。業績への影響は取得手続き完了後に精査し、必要が生じた場合は速やかに開示するとしている。

OTKの持ち株比率は、大阪府が49.0%、大阪ガス<9532.T>と関西電力<9503.T>がそれぞれ18.0%、りそな銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行がそれぞれ5%。南海は各社の保有株式を買い取り、グループが持つOTK株の議決権所有割合を100%とする。譲渡契約は大阪府議会の議決を停止条件として締結する。

OTKは、府南部を走り南海線に乗り入れる泉北高速鉄道のほか、府内でトラックターミナルなどの物流施設を賃貸する事業も展開している。14年3月期の売上高は151億円、営業利益は44億円。

同社株の売却をめぐっては昨年、財政再建を目指す大阪府が売却のための入札を行い、米投資ファンドのローンスターが780億円を提示。次点となった南海の提案額720億円を上回り、優先交渉権を得ていた。 だがローンスターが府に提示した乗継運賃の引き下げ案をめぐり、南海側の案よりも引き下げ幅が小さいとして地元沿線住民らが反発。大阪府議会は昨年12月、ローンスターへの売却に向けた議案を否決した。その後、府はOTK株を随意契約で売却する方向で検討を進めていた。