取引時間中に発表された4月の景気ウォッチャー調査では、2─3カ月先を見る先行き判断DIが5カ月ぶりの上昇となった。これを受け、マイナス圏で推移していた日経平均は一時プラス転換したが、買いは続かず再び下落。ドル/円<JPY=EBS>が101円台後半と円安が進まないことも重しとなり、日経平均は結局50円安で取引を終えた。

売買を手控える市場参加者も多く、きょうも薄商いが続いた。東証1部の売買代金は1兆6076億円と、活況の目安となる2兆円を3営業日連続で割り込んだ。

様子見ムードが広がる背景について、アイザワ証券・投資リサーチセンター長の飯田裕康氏は「国内企業の決算待ちではない」と解説する。国内企業の決算発表は時価総額ベースではすでに約7割が終了していると指摘した上で、「2015年3月期の業績予想が前年比でほぼ変わらずかマイナスになると見通している企業が多く、投資家が悲観している」と述べた。6月に成長戦略が発表されるまでは、きょうのような薄商いで方向感に乏しい相場が続く可能性があるという。

また、個人の投資マインドも冷え切っているという。光証券・本店営業本部長の村垣忠男氏は、「年初からの下げで評価損を抱えている個人投資家も多い。心理面ではまったく盛り上がれていないのが現状」と述べた。

個別銘柄では、ディー・エヌ・エー<2432.T>が急落。9日発表した2014年4─6月期の連結業績予想で、大幅な減収減益見通しを明らかにしたことが嫌気された。国内のソーシャルゲーム「モバゲー」がブラウザ市場向けで低迷している。