7日の欧州株式市場は、小幅上昇で取引を終えた。フランスの銀行大手クレディ・アグリコル<CAGR.PA>やドイツの化学大手ヘンケル<HNKG_p.DE>などの堅調な決算を好感した買いが、フィアット・クライスラー<FIA.MI>が発表した事業計画への懸念がもたらした売り圧力を上回った。

FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は1.42ポイント(0.11%)高の1344.65。DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は9.88ポイント(0.31%)高の3159.67で引けた。

クレディ・アグリコルは、第1・四半期の決算で純利益が30%増加したことが好感され、株価は6.8%上昇した。ヘンケルも第1・四半期の企業決算が市場予想を上回り、5.4%の上昇となった。

一方、フィアット・クライスラーは11.7%の下落で、FTSEユーロファーストの中で最も大きなマイナスとなった。2018年までに売上げを60%増やすなどとする事業計画に対し懐疑的な見方が優勢だった。

イタリアの主要株価FTSE・MIB指数<.FTMIB>は、フィアットに押し下げられる形で1.31%の低下。第1・四半期決算が市場予想を下回ったイタリアの複合企業フィンメカニカ<SIFI.MI>が7.5%の下落となったことも重しになった。

この日の欧州株式市場は、ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の親ロシア派勢力に独立の是非を問う住民投票の延期を呼び掛けたこともあって終盤に持ち直した。