ワタミに限らず、低価格だが画一的なメニューが並ぶ居酒屋や牛丼チェーンなど、外食業界の一部はアベノミクスの景気回復の「波」に乗れないでいる。半面、景況感の改善に伴う「プチぜいたく」の需要を追い風に、単価が比較的高い商品をそろえているファミリーレストランなどは好調だ。

居酒屋チェーンにとっては、若者のアルコール離れも売り上げ低迷の要因の一つだが、最近はファミリー層も来店しやすいような店づくりや、子ども向けや素材にこだわったメニューを用意するなどに、工夫を凝らす居酒屋も登場している。

ワタミは、そんな新たな需要の取り込みに、苦労しているようだ。

■「トップが政治家になって襟を正さねばいけなくなったことが原因だろ?」

そうした中で、ワタミの創業者で参院議員の渡邉美樹氏も2014年5月3日、フェイスブックに、こう記して、現経営陣にエールを送った。

「創業以来、もっと厳しい危機も幾度とありました。危機に出会ったとき大切なことは、『なぜ危機に出会ったのかを徹底的に分析すること』そして『何百、何千のこれからの仮説を立てること』。それさえ出来れば、あとは勇気をもって検証し続けるのみです。