午前のドル/円は小動きにとどまった。短期筋が株価に連動してポジションを動かしている程度だったという。日経平均が200円を超す下げになるとドル/円も弱含んだが、102円ちょうど付近では買いが観測された。日経平均は前場終盤にかけて小動きとなり、ドル/円の値動きは鈍った。

前週末の海外市場ではウクライナ情勢への警戒感からドル/円に下方圧力がかかったが、安値は101.96円で深い調整にはならなかった。このため、102円ちょうど付近では押し目買い意欲が強いという。ただ、市場参加者は「(ドル/円が)戻ってきたらすぐ売りたい」(大手信託銀)意向が強く、結果としてドル/円は方向感が出にくくなっている。

国内勢の大型連休入りに伴い、市場ではドルの買い手が乏しくなるとの思惑が出ている。ある邦銀の関係者によれば、国内の事業法人では5月1日から連休に入るところが多いという。

もっとも、大手邦銀の関係者は週末の米雇用統計に期待して「(ドル/円が)下落した場面は買いを出しておけばいい」と話す。同関係者によれば、輸出企業は米雇用統計後にドル/円が上昇するケースに備えて102円半ばから後半で売りを出してくる可能性がある。半面、輸入企業は101.50円から下に買いを入れているとされ、同関係者は101―103円のレンジでの推移を見込む。