今週の米株式市場では、エネルギー株の動きに注目が集まる見通し。2月終盤以降、バイオテクノロジー関連銘柄や他の高成長株への熱が冷めた市場では、石油株への関心が高まっていた。

S&P総合500種では、高成長株の売りが加速し始めた2月25日以降、エネルギー関連株が好調。米石油大手エクソンモービル<XOM.N>、シェブロン<CVX.N>、コノコフィリップス<COP.N>が今週、決算を発表する予定で、最近の上げ幅を拡大させる見通し。

バリュー株(割安株)に資金が移動したため、全体相場の下値が支えられた。こうした流れは維持される見通しで、モルガン・スタンレーは、バリュー株へ大量に資金が移動した場合、これらの銘柄が長く市場を主導することになるケースが多い、と指摘した。

トムソン・ロイター傘下の投信情報会社リッパーによると、この10週のうち9週で、エネルギーファンドに対する資金が流入超となった。過去4週間では週間平均4億8890万ドルの資金の流れがあり、2011年3月以降で最大。

ジョーンズ・トレーディングのチーフ市場ストラテジスト、マイク・オルーク氏は「配当を実施し、着実に自社株を買い戻しているエネルギー分野の大手企業は、コモディティ価格が堅調に推移している限り、ディフェンシブな要素がより強い」と指摘した。