で、肝心のキニナル「私のおいなりさんラーメン」はというと……

 「なぜ、そこにおいなりさんが!? 」と、ツッコまずにはいられないこのラーメン。しかも、「店主の気が向いた時だけ発売する限定メニュー」とのこと。こんなラーメンを気まぐれに作る店主、きっと……さぞかし「アレ」な人に違いない……。

 と、思いきや……ラーメンつけ麺な男前だった。

 店主・高橋知己(とものり)さんは、物腰の低い控えめな印象とは裏腹に、横浜・川崎・新宿に油そば・つけ麺の「あびすけ」を展開するやり手のラーメンマン(36歳・ジャンプ黄金期世代)。

 そのアブノーマルな店名にばかり気を取られていたが、つけ麺・油麺ですでに実績を作り上げている彼が、今このタイミングで、もやしなどの野菜がたっぷりトッピングされた「ガッツリ系ラーメン」の店を立ち上げた理由もキニナルところ。初対面の殿方相手にいきなり「おいなりさん」の話を振る勇気もないので、まずはそのあたりから。

「おいなりさん」の目指すラーメン

 高橋さんの話によると、「ガッツリラーメン それは私のおいなりさんだ」は、ラーメンコンサルとして「渡なべ」(高田馬場)など数々のラーメン店をプロデュースする渡辺樹庵さんの協力のもと生まれた店であるらしい。

 高橋さんが渡辺氏に出会ったのは、今から10年以上も前のこと。当時まだラーメンコンサルとして活躍する以前の渡辺氏が神奈川区・六角橋にあった高橋さんの店を訪れたことから、店主と客として意気投合。その後渡辺氏がラーメン業界に進出したことで、ますます交流が盛んになったのだとか。

 今回の「おいなりさん」構想も2人のガッツリラーメンに対する疑問から発展したものだとういう。ラーメン業界にいると、いろいろな裏情報も耳に入るのだろう。