ファーストリテイリング<9983.T>の下げが大きく、1銘柄で日経平均を約46円押し下げている。TOPIXはプラス圏で前場の取引を終えた。

日経平均は4月4日以降の6営業日で1111円、率にして約7.4%下落し、短期的に下げ過ぎとの見方が出ている。足元で下落率の大きかったトヨタ<7203.T>が買われたほか、三菱UFJ<8306.T>、日立<6501.T>など主力株の一角が堅調だった。テクニカル的な自律反発の機運は出ているが、下げ止まらない米国株やウクライナ情勢の緊迫化などが懸念材料となっているほか、今週から本格化する米企業決算、16日の1―3月期中国GDP発表などを控え、全般に様子見ムードが強い。市場では「ヘッジファンドの売りが一巡しやや需給が改善する中、下値で押し目買いや買い戻しが入った。ただ、決算発表で会社側の今期予想を見極めるまでアップサイドを取るような資金は入りにくい」(中銀証券本店営業部次長の中島肇氏)との声が出ていた。

個別銘柄では、シャープ<6753.T>が大幅続落し、年初来安値を更新した。13日付の朝日新聞朝刊で、同社が公募増資の検討を始めたと伝えられ、一株利益の希薄化や需給悪化などを懸念した売りが出た。半面、吉野家ホールディングス<9861.T>は堅調。11日に発表した2015年2月期の大幅営業増益予想を好感した。

東証1部の騰落数は、値上がり1086銘柄に対し、値下がりが549銘柄、変わらずが165銘柄だった。