先々週と同じく、週の前半は堅調、後半になって崩れるというパターンでした。中でもバイオテクノロジー株や金融株の下げが顕著でした。

 今回の調整局面では3月頃からナスダック総合指数がいちはやく崩れ始めました。これに対してS&P500指数は最近まで何とか値を保っていました。ここへきてようやくナスダックの弱さがマーケット全体にも広がり始めているわけです。

 このようにS&P500指数がナスダック総合指数よりしっかりしている商状が前回現れたのは2011年でした。その年のニューヨーク株式市場のパフォーマンスはナスダック総合指数が-2%、S&P500指数がほぼ変わらずということで、冴えませんでした。

 先週の下げでナスダック総合指数のみならず、新たにダウ工業株価平均指数とS&P500指数も50日移動平均線を下に切りました。

 つまりようやく市場全体が下げ局面に入ったことが確認されたわけです。

 今回の調整局面は経済指標や政情不安などの悪材料が引き金ではありません。むしろ純粋にテクニカル的な調整と言えます。