週末4日の東南アジア株式市場の株価は、横ばいないし軟調だった。投資家は米雇用統計の発表を控え、これまで上昇していたジャカルタやマニラなどの市場で売りを出したほか、バンコク市場も週末の政治情勢の緊迫への懸念から上値を削った。

ジャカルタ市場は金融株や大型株に利益確定の売りが出たことに加え、市場の割高感も懸念材料となり、他の東南アジア5市場をアンダーパフォームした。

総合株価指数<.●●SE>は0.68%安の4857.94と、1週間ぶりの安値で終了。今週は海外勢の買い越しで相場が押し上げられ、マンディリ銀行<BMRI.●●>は9%近く上昇していたが、この日は1.7%安となった。

同指数は週間では1.9%高とアジア市場をアウトパフォームし、年初来では現地通貨ベースで13.7%高となった。

インドネシア中央銀行の調査によると、3月の同国の消費者信頼感指数は上昇。景気は向こう半年で改善するとの見方が広がっている。

マニラ市場の主要株価指数PSEi<.PSI>は0.39%安の6561.20。週間では3.2%高と、東南アジア6市場の中で最も良いパフォーマンスを上げた。海外勢は8営業日連続で買い越しており、この間の買越額は4億4200万ペソ(980万ドル)に上った。

バンコク市場のSET指数<.SETI>は0.06%高の1392.01と、ほぼ横ばいで引けた。週間では約2%高。タイ・バーツは政治情勢の緊迫を受けてアジアの各通貨をアンダーパフォームした。7日のバンコク市場は祝日のため休場で、取引は8日に再開される。

タイでは今週末、数十万人の政府支持者らがバンコクに結集する予定。数カ月にわたりインラック首相の退陣を目的に行われた反政府運動に対抗する姿勢を示す狙い。

東南アジア市場の株価はこの日、ボックス圏の動きとなった。世界中の投資家が3月の米雇用統計の発表を控えて様子見姿勢を強めたことが背景。雇用統計は米連邦準備制度理事会(FRB)の政策の方向性をうらなう重要な指標とみられている。

シンガポール市場のストレーツ・タイムズ指数(STI)<.FTSTI>は0.23%安の3212.72、クアラルンプール市場の総合株価指数<.KLSE>は0.05%高の1856.61、ホーチミン市場のVN指<.VNI>数は0.61%高の593.04で引けた。