誰でも体裁を保ったり、見栄をはったり、事を荒立てないようにするために多少の嘘をつくことはあるでしょう。

しかし、我々は通常、サイコパスのように平気で大胆に、堂々と嘘をつく人間に出会う事はほとんどありません。

例えば、初めて会った人物が、「私は内科医をしています」と言えば、疑うことから始めるという人は少ないのではないかと思います。

もちろん、明らかに身なりがみすぼらしいとか、医療用語の基礎も知らないというのであれば話は別です。

しかし、相手がそこそこ知的な外見を持っていて、会話の中に「それらしさ」を感じたら、わざわざ「ウソなんじゃないか?」とは考えないはずです。

常識的に考えれば、そんな嘘をついて後でバレれば恥をかくだけですし、どう考えてもデメリットの方が明らかですから、動機の上でも理不尽な行動です。

しかし、サイコパスは目先の退屈しのぎや、自分が優位に立つことを優先して、迷わず嘘をつくという行動をとります。

そして少なくとも本性を知られるまでの一定の期間は、自分を魅力的な人物に見せようとするわけです。