<為替> ユーロが下落。欧州中央銀行(ECB)は同日開いた理事会で金利を据え置き、域内の低インフレに対応するため、必要に応じ非標準的措置を講じていく姿勢を鮮明にした。
ドラギECB総裁の会見が進行する中、ユーロは1.3711ドルまで下落。その後、0.4%安の1.3716ドル付近で推移した。対ポンドや円でも下落した。
ドラギ総裁は「ECB理事会は、低インフレの長期化リスクに効果的に対処するため、責務の範囲内において非標準的手段を活用するコミットメントで一致している」と語った。
ユーロ安はドル上昇につながり、主要6通貨に対するICEフューチャーズUSドル指数<.DXY>は0.27%上昇した。
ドル/円は一時、1月23日以来の高値となる104.06円をつけた後、103.95円付近で推移した。
<株式> ロンドン株式市場は小反落。一時は3週間ぶり高値をつけたが、さえない米指標を嫌気し、結局マイナス圏で取引を終えた。
FT100種総合株価指数<.FTSE>終値は9.90ポイント(0.15%)安の6649.14。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が理事会後の会見で緩和スタンスを強調したことで、午後の取引では一時3月12日以来の高値をつけたが、予想を下回る米指標を受けて、米株に連れ安する流れとなった。
鉱山株指数<.FTNMX1770>が0.8%下落し、相場を圧迫した。中国が発表した景気支援策が期待されていたほど大規模でなかったことを嫌気し、銅価格が下落したことが重しとなった。リオ・ティント<RIO.L>、アングロ・アメリカン<AAL.L>が下げを主導した。
一方、タロー・オイル<TLW.L>は6.2%急伸。UBSが同社の投資判断を「ニュートラル」から「買い」に引き上げたことが支援材料。
キングフィッシャー<KGF.L>は3%高。フランスの競合社、ムッシュ・ブリコラージュ<MBRI.PA>に対して総額2億7500万ユーロ(3億7862万ドル)の買収提案を行ったことが好感された。
欧州株式市場は続伸。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁がデフレ回避に向け、非標準的措置による追加緩和実施に道を開いたことが追い風となった。
ECBは政策金利の据え置きを決定したが、ドラギ総裁は「低インフレが過度に長期化するリスクに効果的に対処するため、理事会は責務の範囲内で非標準的措置も活用する決意で一致している」と表明。低インフレが長期化すれば、行動する考えをあることを強調した。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>終値は1.78ポイント(0.13%)高の1345.18。8日続伸し、連騰記録としては昨年10月以来の長さとなった。
DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は19.31ポイント(0.61%)高の3206.76と、5年半ぶりの高値をつけた。
スペイン株が域内市場全体をアウトパフォームした。
サービスセクターの購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を上回り、回復加速への期待が高まった。
銀行株が上げを主導。BBVA<BBVA.MC>は3.6%、バンコ・ポピュラール<POP.MC>は3.9%それぞれ上昇した。
スペインの主要株価指数IBEX<.IBEX>は1.4%高の1万0584.1で終了し、およそ3年ぶり高値をつけた。
他のユーロ圏銀行株も値を上げた。ナティクシス<CNAT.PA>は4.3%高、ウニクレディト<CRDI.MI>も2.8%高となった。