バルカントのストラテジスト、エリック・ガリーグ氏は、ECB理事会メンバーのバイトマン独連銀総裁が先週、中銀預金金利のマイナス圏への引き下げは選択肢のひとつで、量的緩和策を実施することは「論外」ではないとの発言したことに触れ、「欧州で量的緩和実施に向けた扉が開かれた。これは株式市場にとり朗報だ」と述べた。

<ユーロ圏債券> スロベニア国債利回りがユーロ導入以来の最低水準に迫った。

財政再建に取り組んでいるスロベニアは、国際支援の要請を余儀なくされるとの懸念から、過去3年にわたり国内債券市場でユーロ建て国債の発行が出来ない状況にあった。

だがトムソン・ロイター傘下のIFRによると、スロベニアは同日、3、7年債の発行を通じて、20億ユーロを調達する見込み。国債発行に対しては約100億ユーロのおう盛な需要が集まり、市場関係者からは、昨年終盤の国内銀行の資本増強に続く重要な節目との指摘が上がっている。

スロベニア10年債利回りは3年半ぶりの水準となる3.62%に低下。2010年に記録したユーロ導入以来の最低水準となる3.4%に迫った。

域内の他の低格付け国債利回りも数年ぶりの低水準で推移した。ユーロ圏で低金利が続くとの観測を背景に、高利回りを求める投資家の受け皿となっている。

イタリア10年債利回りは3.29%、スペイン10年債は3.25%で、ともに前日から変わらず。

欧州中央銀行(ECB)は3日の理事会で追加緩和を温存するとみられているが、3月のユーロ圏インフレ率が2009年以来の低水準となる0.5%まで鈍化する中、市場では年内にECBが追加緩和に踏み切るとの見方が根強い。

欧州委員会のレーン副委員長(経済・通貨問題担当)はこの日、ユーロ圏の物価上昇率が長期間低水準にとどまった場合、域内経済の不均衡の是正に悪影響をもたらすとの見解を表明。ECBへの緩和圧力が強まった格好となった。