イングランド銀行(英中央銀行)の金融監督委員会(FPC)の外部委員であるクララ・ファース氏は28日、英経済回復を支援するため、中銀が債権の証券化市場の活性化策を検討することを示唆した。証券化商品は、サブプライムローンなどが金融危機の原因となり敬遠されていたが、再び注目が集まる可能性がある。
ファース氏はロンドン証券取引所グループの元最高経営責任者(CEO)で、昨年6月にFPCの外部委員に指名された。
同氏は就任後初の演説で、金融危機後に銀行に対する自己資本規制が強化されたことにより中小企業が銀行融資を受けることが困難になったと指摘。債権の証券化など資本市場を活用した資金調達を拡大することで、そういった企業の調達手段が増えるとの見方を示した。同氏によると、FPCは英市場の機能向上のために必要な方策を検討するという。
ファース氏はさらに、調達手段が増え投資家層が分散することで、相場が一方向に傾く確率も低下すると述べた。