<ユーロ圏債券> ドイツ連邦債利回りが2週間ぶりの水準に上昇した。前日終了した米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて、連邦準備理事会(FRB)による利上げの時期が予想よりも早まるとの見方が広がるなか、域内の国債が全般的に売られた。
イエレンFRB議長は19日、就任後初めて臨んだFOMC後の記者会見で、FRBは今秋に資産買い入れプログラムを終了させるとの予想を示した上で、その6カ月後に金利の引き上げを開始する可能性があると述べ、来春にも利上げを開始する可能性を示唆した。
独連邦債10年物利回りは1.66%と6.5ベーシスポイント(bp)上昇。フィンランド、仏、オランダ、オーストリアの国債利回りも軒並み6bp以上上昇した。
ソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、キアラン・オヘーガン氏は、FRBの動きが国債売りのきっかけを作ったとした上で「年内に景気が回復すると予想されるなか、金利が今後かなり上昇するのではないかとの思惑もある」と述べた。
ただし、ソシエテ・ジェネラルのエコノミストらは、独連邦債の利回りの伸びが米国債利回りと比較して緩やかになるとみている。年末時点での金利予想は、10年物の独連邦債利回りが2.1%、同米国債利回りが3.55%。
周辺国債では、10年物のスペイン国債利回りが4bp上昇の3.38%、同イタリア国債利回りが5bp上昇の3.44%。ポルトガル国債利回りは低下した。