17日の米国株式市場は急反発し、ダウ平均は180ドル以上値上がりした。クリミア情勢をめぐる懸念が和らいだことや、経済状況の改善を示す指標が手掛かりとなった。

ウクライナ南部のクリミア自治共和国で実施された住民投票で97%がロシアへの編入を支持したことに対し、ウクライナ政府と西側諸国はこれを違法だとして非難したが、投票は大きな混乱なく終了した。

米国と欧州連合(EU)はクリミア占領に関与したロシアなどの政府高官を対象に制裁を発動。一方、ロシアのプーチン大統領はクリミア自治共和国を主権国家として承認する法令に署名した。

先週は地政学リスクの高まりが相場の重しとなり、S&P総合500種が2%下落したほか、14日に投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ・インデックス(VIX)は2月初旬以来の高水準となっていた。

ナショナル・ペン・インベスターズ・トラスト・カンパニー(ペンシルベニア州)のシニアバイスプレジデント兼シニア株式マネジャー、テリー・モリス氏は「(ウクライナに)現実のネガティブサプライズがなかったことで、一種の急反騰となった。予想通りのことが実際に起きた」と話した。

投資家が相場の後退局面を買いの機会ととらえる最近の傾向は引き続き進展している。

ダウ工業株30種<.DJI>は181.55ドル(1.13%)高の1万6247.22ドル。

ナスダック総合指数<.IXIC>は34.55ポイント(0.81%)高の4279.95。

S&P総合500種<.SPX>は17.70ポイント(0.96%)高の1858.83。

この日は景気敏感セクターが相場の上昇を主導し、ハイテク株<.SPLRCT>と工業株<.SPLRCI>がともに1.3%上昇した。グーグル<GOOG.O>は1.6%高となり、ゼネラル・エレクトリック(GE)<GE.N>は1.3%上昇した。

米連邦準備理事会(FRB)の大規模な景気刺激策も株価の下支えとなっており、市場参加者は18日から2日間開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)に備えている。

経済指標では、2月の米鉱工業生産指数が半年ぶりの大幅な伸びとなったほか、3月のニューヨーク州製造業業況指数は前月から上昇した。

ケイン・アンダーソン・ラドニック・インベストメント・マネジメントのダグ・フォーマン氏は「景気指標に関してやや懸念が和らいだようだ。市場は正しく理解した。この冬の寒波が厳しいものだったと理解するのに、優秀な科学者や気象予報士である必要はない」と語った。

中国の電子商取引会社アリババ・グループ・ホールディング<IPO-ALIB.N>は16日、米国での新規株式公開(IPO)に向けた手続きを開始すると発表し、数カ月間にわたる憶測に終止符を打った。アリババの24%の株式を保有する検索大手ヤフー<YHOO.O>は4%の大幅高となり、S&Pで上昇幅が最も大きい銘柄の1つとなった。

米製薬会社インターセプト・ファーマシューティカルズ<ICPT.O>は11.9%の大幅安。肝臓疾患用新薬の治験で、プラセボ(偽薬)と比較して心臓関連の問題が多数発生したと発表したことが材料視された。

(カッコ内は前営業日比)

ダウ工業株30種(ドル)<.DJI>

終値         16247.22(+181.55)

前営業日終値    16065.67(‐ 43.22)

ナスダック総合<.IXIC>

終値         4279.95(+34.55)

前営業日終値    4245.40(‐15.02)

S&P総合500種<.SPX>

終値         1858.83(+17.70)

前営業日終値    1841.13(‐ 5.21)