17日の東京市場は不安定な相場展開が続きそうである。注目されたクリミアの住民 投票では、開票率約50%の段階で「ロシアへの編入」に95.5%が賛成と報じられてい る。米政権はEUと協調し、17日にも追加制裁を発動する構えと伝えられている。ウク ライナ情勢を巡る米欧とロシアの対立を受けて、これらの行方を見極めたいとする様 子見ムードが強まりそうである。 14日の米国市場ではダウ、ナスダックともに下落。シカゴ日経225先物清算値は大 証比70円安の14150円だった。配当分が100円程度とみられ、これを考慮しても売りが 先行しやすい。日経平均は14日に500円近い下落となったが、急ピッチの下げに対す る反動も期待しづらいところだ。 外部環境の不安定な状況が続くと、物色は中小型株のほか、内需系にシフトしやす い面はあると考えられる。しかし、14日大引け後にイオン<8267>が2014年2月期の業 績予想を下方修正している。日用品は消費増税前の駆け込み需要がさほど盛り上がっ ていないようだ。今後は消費増税後の消費節約による影響が警戒されやすく、内需系 についても神経質な展開に向かいやすい。 そのほか、期末接近で配当志向の物色なども意識されやすいが、NISA需要が注目さ れているとはいえ、期日ぎりぎりまで見極めムードが続く可能性もある。なお、厚労 省は、公的年金の積立金運用で、国内REITが新たな投資先として有力との見解を明ら かにしたと報じられている。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が投資を検討 と。外部環境が落ち着きをみせてくるようだと、REITや不動産セクターへの見直しが 意識されてきそうだ。 (村瀬智一) [株式市場強弱材料] 強気材料 ・中国アリババ集団、米国でIPOの準備を始めると発表 ・次世代電力計、24年度までに全世帯導入へ ・NY金続伸、約半年ぶり高値まで上昇 ・バルチック海運指数、続伸 弱気材料 ・クリミア自治共和国、ロシア編入の承認確実 ・シカゴ225先物清算値14150円、大証比70円安 ・NYダウ5日続落、クリミアの住民投票控え警戒感 ・米半導体SOX指数、続落 ・欧州株式市場、ウクライナ情勢への懸念で景気敏感株を中心に軟調 ・ドル/円、円高進行(101円38-40銭) ・ユーロ/円、円高進行(141円06-10銭) ・中国、国営メディアでニコン<7731>製品を批判 ・LMEニッケル、反落 ・東証REIT指数、反落 留意事項 ・オリックス<8591>、米保険大手ハートフォードの日本法人を買収 ・7&IHD<3382>、前期最終利益は1750億円程度と過去最高益を更新見込み ・政府、「准保育士」導入を検討 ・白物家電の14年度国内出荷額、前年度実績見込み比8.6%減の見通し ・中国人民銀行、人民元の変動幅2%へ拡大 ・製造業、大卒採用2桁増 ・NY原油先物、続伸(1バレル=98.89ドル) ・米長期金利、上昇(10年債利回り2.657%) ・長期金利、低下(10年債利回り0.620%) ・ユーロ圏2月消費者物価指数(改定値) ・EU外相理事会 ・米3月ニューヨーク連銀製造業景況指数 ・米2月対米証券投資収支 ・米2月設備稼働率 ・米2月鉱工業生産指数 ・米3月NAHB住宅市場指数 [サポート&レジスタンス] 終値 14328 5日移動平均 14864 標準偏差+2σ 15314 先行スパンB 15158 100日移動平均 15080 先行スパンA 14924 転換線 14797 25日移動平均 14791 基準線 14734 レジスタンス(2) 14642 200日移動平均 14506 レジスタンス(1) 14485 ピボット 14383 標準偏差−2σ 14267 サポート(1) 14226 サポート(2) 14124