今、若者が頭に血が上るとすぐに、“殺す”とか口走るようだけど、そんな言葉はオレには使えない。人ひとりの人生を殺すとか、殺さないとかね。そこまで育つためにいろんなことがあっただろうし、それを全部、オマエは背負えるのか? その覚悟はあるのか?それは、オレだって背負える自信はないし、実際に背負えない。その辺の人生の重さ、命の重さ、人の痛みを考えてほしい。ケンカして、頭に血が上っているときに、そこまで冷静になるのは難しいかもしれないけどね。

出典 真っ直ぐ、前を——:馬場さんが亡くなったときのこと 〜三沢光晴インタビューから〜