宿命を英雄的に生き抜くという悲しい喜劇を綾なす言葉。その言葉とは、音楽と物語が長い歴史の中で色づいた伝統であり、その過程を底で支え続けたのは母の愛である。政治の組織化と美の商業化によって、職人的で自在で確実な智慧が生かされなくなった現代。馬鹿な理屈屋の時代である。