「まんがをはなれて、むかし話とか童話とかを考えてみても、何百年と語りつがれて、今でも子どもたちをひきつけるパワーのあるものがあります。心理学者などは、好んで、そのようなむかし話や童話を分析します。そこには、人間の深層心理にかかわるような、人間が生きていく上でいちばん本質的なものがあり、それを触発するような秘められた力があるのでしょう。 まんがの場合でも、読者の興味をつかむそのつかみ方が、浅いところでつかむか、もっと掘りさげた本質的な深いところでつかむかで、一般的な広がりや、時代をこえた寿命の長さが違ってくるのです」