「プロの生原稿を見て、まず何に驚いたかというと"仕上げの完璧さ"です。 コマのすみがきちっとクリアーに始末されていてベタのムラはないし、線の1本1本に、強弱と、太い細いの差はあっても、"濃さ"の差がないのです。これは、すべての線にこめる力が、計算されたものだという技術です。この差は、印刷されてしまうと、少しわかりにくくなります。紙質や、印刷インクののりの差で、生原稿そのままの美しさは画質にあらわれにくいからです。しかし"美しい線"と"きたない線"は、印刷されると、それぞれ"フツーの線"と"とんでもないきたないみにくい線"の差にあらわれるのです」