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教育業界で約5割のシェアを誇るベネッセコーポレーションも、深刻な労働問題を抱えていた。
’09年、ベネッセは「人財部付」という部署を新設し、複数の社員を配属。だが、業務は単純作業と、
自分を受け入れてくれる部署を探す「社内就職活動」のみ。これは実質的な「追い出し部屋」だとして、
配属された女性社員が提訴。’12年には「実質的な退職勧告の場だった」として違法性が認められている。
ベネッセの広報部によると、すでに女性とは和解が成立しており、「人財部付」という部署も廃止されているという。
また、今回のノミネートには東北大学の名前もあがった(「ブラック企業大賞」では学校法人や官公庁も対象)。
東北大学は日本有数の国立大学。だが、’07年には薬学部の助手だった男性が指導教授のパワハラと
過労を苦に自殺した。指導教授に命じられ、副作用のある抗がん剤の研究に長時間1人で従事していたという。
残りの’13年度「ブラック企業大賞」ノミネート企業は以下の通り――
◆ ’09年10月に女性社員が過労死した「クロスカンパニー」。
◆ ’10年12月、事務職の男性(23)が自殺し労災認定された「西濃運輸」。
◆ ’04年3月、男性社員(30)が過労死した「東急ハンズ」。
ブラック企業の経営者は肝に銘じてほしい。日本の将来を真剣に考えるなら、
選挙に出るより、社会貢献に励むよりも、自分の会社の労働改善が先であると。
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