事件当時、20歳だったノックス被告は清楚(せいそ)な容姿からメディアに「天使」と表現される一方で、「セックス異常者」「危険な悪魔」などとも指摘された。スキャンダラスな事件は米国、イタリアだけでなく、世界のメディアをにぎわし、両国の外交問題にまで発展した。

 売人が罪を認めたこともあって、ノックス、ソレシト両被告に対しても、検察の主張が認められ、09年12月の1審ではノックス被告が懲役26年、ソレシト被告が同25年とそれぞれ有罪判決が下され、4年間収監された。

 だが、事件はこれで終わらなかった。

 両被告の上訴を受けて行われた2審では11年10月、凶器に付着していた血液のDNA鑑定に欠陥があるとして、殺人罪について逆転無罪。ノックス被告は帰国し、ワシントン大学に復学した。